珪藻土(シリカ)

  • 電子顕微鏡写真
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ケイソウ(珪藻)土は今から数万年ないし数千万年の太古に繁殖した珪藻(けいそう)と呼ばれる藻類(植物プランクトン)の化石です。
珪藻は約数10μmの大きさの単細胞植物で、内部と外部に通じる0.1~1.0μmの無数の細孔があり、これから水を取り入れます。
そして、永い年月の末、珪藻が大量に死滅、沈積し、珪殻とよばれるシリカ質の遺骸のみを残した物がケイソウ土となるのです。
ケイソウ土の主成分はガラスと同じ珪酸質(SiO2)で、珪藻の独特な形状と化学的安定性から吸水性、吸着性に優れるという特性を持ちます。古代ギリシャでは研磨剤や軽量レンガに利用され、日本では輪島漆器の下塗材として江戸時代より伝統的に用いられてきました。
トルコのイスタンブールには、ケイソウ土を使った最古の建築物「聖ソフィア教会堂」があります。また、スウェーデンのノーベル博士が、ニトログリセリンをケイソウ土に吸収させてダイナマイトを作ったという話も有名です。
精製されたケイソウ土の最大の用途はろ過助剤です。
濁度の高い原液から懸濁固形分を分離して清澄なろ液を得る事ができます。
ろ過操作において、ボディフィードを行うと、ろ過抵抗を低下させて寿命を延ばす事が可能となり、コスト低減の最も有効な手段です。
ケイソウ土は競合品であるパーライトろ過助剤よりも優れた特性を持ち、透過(捕捉)性能もバラエティに富むことから、広範な分野で利用されています。

微 粉

用途

シリコーンゴム・樹脂・塗料などの充填材

取扱製品

  • ・シリカ#6B
  • ・オプライトW-3005S
  • ・オプライトW-3005K

焼成品

用途

ビール製造工程や精製糖工程など、清澄性を必要とするろ過

特徴

  • 1. 有機物が完全に燃焼するように800~1200℃で焼成した製品です。
  • 2. 焼成による焼結作用のために、効率的な速度でろ過できます。

取扱製品

  • ・シリカ#300S(清澄用)
    高度の清澄度を必要とするろ過に適します。
  • ・シリカ#300S-A(清澄用)
    シリカ#300Sに比べて、更にろ液の清澄度を必要とするろ過に適します。
  • ・シリカ#100F(極清澄用)
    極度に清澄な、キラキラ輝くようなろ液を必要とするろ過に適します。

融剤焼成品

用途

食品から一般工業に至る中速、または高速ろ過

特徴

  • 1. 少量の炭酸ナトリウムを添加して、800~1200℃で焼成した製品です。
  • 2. 炭酸ナトリウムはケイソウ土のSiO2と反応して、粒子表面に薄いガラスの
    被膜を形成するので、より安定な組成になっています。
  • 3. 焼成品に比べ透過性が10倍以上です。

取扱製品

  • ・シリカ#645、オプライトW-3050(高速用)
    固形分の多い、難ろ過性の液や、粘度の高い液のろ過に適します。
  • ・シリカ#600H(中速・汎用)
    標準的な品種であって、中庸のろ過速度、中庸の清澄度を与えます。
  • ・シリカ#600S、オプライトW-3020(中速・清澄用)
    シリカ#600Hに比べて、ろ液の清澄度を必要とするろ過に適します。
  • ・シリカプールエース
    水泳プール用の中速・汎用ろ過助剤です。

焼成品、融剤焼成品のろ過の用途例

精糖、コーンスターチ、ビール、ワイン等の酒類、醤油、調味料、各種果汁、各種エキス、植物油、動物油、鉱物油、寒天、ゼラチン、抗生物質、酵素、各種溶剤、医薬品、化学薬品など様々な水処理

乾燥粉末

用途

建築材料、保温材、化成肥料の固結防止剤、農薬用担体など

特徴

  • 1. ケイソウ土の持つ特性を生かした製品です。
  • 2. お客様のご要望に応えうるよう粒度を調整した商品です。
  • 3. 珪酸カルシウム反応を利用した建築材料や保温材、化成肥料の 固結防止剤、
    農薬用担体など広範囲に使用可能です

取扱製品

  • ・オプライトP-1200
  • ・オプライトP-1300